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夜間大学 VOL.9 – NO.603

兄貴(信さん)は昭和24年11月の生れ、ダボは2つ違いの26年10月生れである。

兄貴は今年73歳、ダボは71歳になる。

幼少の時

中学生・高校生の時の兄弟

最近の兄弟

 

兄弟共、親に似ず自分勝手で我儘な性格である。親(父親)には「何か?」言われた(叱られた)事が無い。忍耐強くて寡黙な人でした。時代が我慢を強いらせた(軍隊経験・戦前の家庭環境など)。

今になって(自分達が親になって)解るが、迷惑をかけた二人であったが、子供に対して「自分で考えよ」との無口の教えだった。
まだ未成年の時、煙草を吸っていた姿をたまたま家に来ていた親戚の人が父親に報告したらしい。2階に上ってきた父は「おい!均、見られているぞ」と言って「吸うのを止めろ!!」なんてことは言わなかった。ただ一言「見られてるぞ!!」

 

昭和45年、東京に進学のため居を移した。この時、1年間兄貴と一緒に東北沢に住んだ。下宿である。兄貴大学3年、ダボ1年の時である。ふざけた兄弟は酒をよく飲んでいた。ある時みかねた大家のMさんが実家(静岡の父の処)に電話をしてきて「お宅のご兄弟は夜学に通っているんですか!!」と言ったらしい。この時も父は「帰ってくる時は、静かに解らない様に玄関を入れ」と言っただけだった。叱ったり、文句を言う人ではなかった。

故に二人の兄弟は自由に育ったので幸せだった。

父は生前、日記を記していた。(3年日記が残っている)この日記に一枚の差し紙が入っていた。

父の記した3年日記

父の遺訓

 

父が亡くなった後、この紙をみて、父の子供を育てる優しさと、「自分で考えろ!!」との教えが初めて解った。

平成11年(1999年)2月19日 PM1:57 市立病院で80年の生涯を終えた。

今日が命日です。感謝の言葉を今から墓前にあげて来る。

 

 

 

          記 ダボ・イトウ

 

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