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ながらみ Vol.10-654

暦の上では既に春となっている。

夕方の陽の落ちるのも遅くなり、気持ちの良い季節がやっと到来する。

春は嬉しい。

蕗のとう、山うど、白エビ、筍等、山に海に恵みの品が多く揃う。

その中で「ナガラミ」も春の代表的な貝である。(遠州灘産が絶品)


 

我が家の前に、水野商店と言う駄菓子、オデンの名店が有った。(残念な事に2年半前に閉店してしまった。)

100年続いた店で、雑誌「サライ」にも掲載された事の有る有名店であった。

僕等が子供の頃、毎日通ったお店である。

子供の頃、水野商店さんでは子供の「おやつ」に、この春の「ナガラミ」を売っていた。

今だったら料理屋さんで1個600円はする大きな国産の「海ツボ」も、確か10円だったと記憶している。

大人になった今でも1個600円する「海ツボ」を注文するに躊躇するのに、子供だったダボが10円で食べていたなんて、隔世の感である。

海ツボ(国産に限る)

この話はブログ「消える」( https://www.daiichi-printing.com/blog/06/7815/)で書いてあります。リンクが貼ってあるので読んでみてください。


 

東京から時々ゴルフに遊びに来るK氏は鹿児島生まれですが、「ナガラミ」は静岡に来るまで知らなかった。

一度食してから、大好物となり駅内の「D作、S久」などで日本酒の肴としてよく注文していた。

そんな温厚なK氏が珍しく店主に声を荒げた事が有った。

1個目を食べて、「ジャリ」と砂を噛んだ。

2個目を食べて又「ジャリ」。

3個目は皿の下の方を選んで食べたが、又又「ジャリ」と、3個目も砂が入っていた。

これにK氏は気を悪くしたのである。

折角、静岡まで来て、楽しみにしていた味であるが、台無しとなった。


 

「砂を噛む」と言う言葉が有る。

これは味気ない、面白みのない、と言う表現の時に使われる。

「砂を噛む」生活をすると言う時代がある。

これは生活であるので、前述の話の様な1個、2個、3個の話ではなく、毎日の連続なのだ。

しかし、人はこの連続する「砂を噛む」生活に耐えて生きるのである。


 

バイ貝、車麩、赤巻

40年前、片町にあるおでんの名店「赤玉」で食べた「バイ貝」は最高だった。

その時一緒に飲んだ名酒「万蔵楽」の味を想い出している。

名酒「万蔵楽」

若かりし頃は「砂利」でも飲み込んでしまうパワーが有ったが、老人になると一粒の砂も気になる!

砂に当たっているうちに「ナガラミ」に「何で砂を飲んだんだ!!」と気が変わる。

許せん!

 

 

     記 ダボ・イトウ

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