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大先生Ⅱ VOL.3 – NO.270

記念の肖像画

この写真を飾りました

前回、書いた「大先生Ⅰ VOL.3 – NO.269」の2回目のブログ。

高桐先生の通夜が、先週の土曜日(17日)、お別れ会が日曜日(18日)だったので、一週間が過ぎた。

親しい人との別れは、普通は「離れてしまったなぁ」と気持ちが落ち込むものだが、先生とは別れた気がしない。

今でも、『お〜お』と言って、僕の顔を見ると、喜んでくれたし、長い話をした後、帰る時に握手をした強い力の感触は忘れていない。

そして、お互いに手を振って、「又ね〜」と言った事は、本当は想い出なんだろうけど、想い出と言う感覚でなく、昨日の行動と言う感覚です。

何故だろう?

先生が、自分で作ったビデオを流して、参列者は皆、驚く。

前回書いた様に、先生は、自分が亡くなった時の仕度は全て完璧に仕上げてあった。

ファイルを残し、連絡先は元より、遺影に使う大きく引き延ばした写真も2枚用意してあった。

奥様が数年前に亡くなった時も、宗旨に捕われず、自分で思った様な方法でお別れ会を行った。

この時は、自分で編集してビデオを流し、奥様の一生を皆に見せてくれた。

当時は、5年前なので、90才台も半ばを過ぎた年齢の人が、編集の中で「愛染かつら」や「青い山脈」などの音楽を入れ、子供の頃からの写真は当然、圧巻だったのは、そのビデオの最後の部分に奥様の声で、

「皆さん、お世話になりました」

と声を入れてあったのは、本当に驚きであり、素晴らしいお別れ会、と今でも脳裏に残っているが、今度は自分のビデオを流す時が来た。

これが、又、「凄い!」と言う言葉を越えていた。

25分の編集の中で、子供の頃、青春時代に作詞家を夢見た時代、軍隊時代や、戦後電器商で成功した時代、そして、48才で奮気一転、行政書士、社労士としての生活と、全て写真と動画と音楽で、構成されていた。

冒頭、

「これが最期のご挨拶です」

と始まり、

ラストシーンは「泣くな小鳩よ」の音楽に乗せて、遠くに歩いて行くシーン。

歌の言葉に合わせて、「振り向けば〜♪」の歌詞に、歩いて行って小さくなった姿から、トレードマークのハンチング帽を振る。

素晴らしい演出で、これが先生と別れた気がしない理由だろう。

今まで、葬儀は何回となく参列したが、これ程、悲しみの無く、想い出の残るお別れ会はない。

 

95才を過ぎて、漢字検定に受かり、朝日新聞に載った写真が特に気に入っていたので、ここに載せます。

95才で漢字検定に合格

お別れしたのではない、ひとときお会いする時間の調整が付かないだけだ。

親しい人とは、必ず又会える。

 

 

        記 ダボ・イトウ

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