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甘味 VOL.3 – NO.285

クリスマスケーキ

弊社のお得意先様である掛川のケーキ屋さんに、クリスマスケーキを取りに行ってきた。

お得意様だから、この時期は僕の周りの人に紹介して、何個か取り集めているが、とても美味しいので、大好評だ。

会社の皆様にも紹介しています。

このケーキ屋さんは、本業はお茶屋さんであるが、多角経営というか?お茶と同様に、本当に味に対しての敏感肌の社長様で、東京で食べた生クリームの味を地元でも紹介したいと考え、パティシエさんを呼び寄せ、掛川でケーキ屋さんを始めた。

従って、ここの生クリームの味は絶品で、社長様が自慢するだけの味で、紹介して買っていただいた周りの人も皆、喜んでいる。

 

芋切干

掛川に取りに行く途中、牧之原を通る。

ここにもお茶が本業だった方が、「芋切干」をお茶以上に売っている。

「だった」と書いたのは、近頃は、お茶の生産より「干し芋」の方が引く手あまたで、この時期取り合い、と聞いた事がある。

 

火鉢も今では姿を消した。

僕が未だ小学校低学年の頃、母親が冬になると、新聞紙でくるんであったこの「干し芋」を出してきて、火鉢で焼いて食べていた。

この話を、「干し芋」の社長さんに話したら、今は、

「伊藤さん、それは昔の話で、今はスウィーツだよ。昔の様にキツく乾燥させるのではなく柔らかく水分を持たせ、そのまま食べる。自然スウィーツだよ。」

と教えられた。

何でも、時代の変化と共に変わる。

クリスマスケーキだって、子供の頃は、バタークリームが一般的で、生クリームなんてめったに食さなかった。また、無かった。

近頃は、何でも、「柔らかいもの、色の薄いもの」が好まれる様だ。

煎餅だって、「濡れ煎餅」と称して、噛み砕くあの感覚より、グチャッとした歯に抵抗のない食感が好まれるそうだ。

味噌も、豆味噌(色が濃い)より米味噌(京味噌や仙台味噌の様に色が淡い)が好まれる様だ。

 

もう10年程前になるだろう。

母親と南知多温泉に泊まりに行った時、朝読んだ「中日新聞」に面白い事が書いてあった。

徳川家康は八丁味噌で育ったから、江戸に八丁味噌を持って行った筈だが、何故、八丁味噌は全国区にならなかったのだろう、と言う記事だった。

各大名は故郷から持って来た「手前味噌」で食事をしていたのであろう。

前述の様に、時代と共に変化する味もあれば、変わらぬものもある。

この見極めが難しい。

 

でも、名古屋に行った時の、「八丁味噌ソフトクリーム」は、食べる気がしなかった事を思い出した。

母が亡くなって10年になった。

伊藤 千代子 (H18.11.2没)

 

         記 ダボ・イトウ

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