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一流 VOL.7 – NO.537

ホッチキス(一流

近頃の印刷業界(オフセット印刷)は、コンピュータの発達により、再現する色を色分解に依って、Y(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)の3原色(スミを入れて4原色)で表現する方法が多く採られている。
つまりこの3原色を網点の掛け合わせに依って、全ての色を表現すると言う印刷方式である。

色の3原色(光の3原色とは又、チト違う)

従って、弊社の印刷機も4色機が稼働している。

小森製 リスロン40

前回のブログ「錯覚 VOL.7 – NO.536」(http://www.daiichi-printing.com/blog/10/8772/)では、弊社創業時の缶詰ラベルのスクラップから何点かのデザインを掲示した。

この時は網点の掛け合わせを使っての色を出す方式ではなく、「特色」と言って、小学生の時 写生の時、絵具の色を混ぜて表現したい色を作った時と同じ様、インクをその色に混ぜて作り印刷する色合わせの職人技であった。

この様な色を作る事を「特色」と呼んで、網点の掛け合わせでは出せない、力強さ・彩明度・蛍光的な色を求めるお客様には、この特色で刷って納品する。職人技と記したが、配合は勘が頼りである(一応計量はするが)。「特色」は、コンピュータによる数値で4色(プロセス色)の網点で掛け合わせた色と違って、リピート物や力強さを求めるお客様に対する仕事に対応するのは、なかなか難しい。

業界では、その昔から色出しが大変な特色として、「ピース紺」と言われる色がある。

ピース  万人が好む紺色

この紺は力強くて、多くのお客様からの要望が有る。「紺をどの程度にしますか?」と色チップで提示すると「ピースの箱の紺にしてくれ!!」と言われる。この紺の色調は多くのお客様が求めるだけあって、上品な色・濃度のあるインキの量・落ち着いた色調を感じられる。でもこれは印刷会社にとっては大変難しい色となる。

弊社は大ロットの仕事ではなく、小ロット・多品種を受注する会社で、受注毎インキを必要な量をとり、混ぜ合わせて現場で色を作る。

技能優秀な弊社オペレーター(一流

インキ調合

 

この「ピース紺」は配合比率では、[紺アイ] 9・ [紅] 0.7・ [スミ] 0.3 の配合に依るが、人間の目から見たとき、比率が1~3%違うと、全く違って感じる。何と言ってもインキの盛り具合が素晴らしい。それなので現場ではインキの盛り具合,乾いた時の色の変化を想定しながら微調整を行う。
作業現場では濃い色で薄く盛って印刷する方が事故は少ないが、これでは濃厚な「ピース紺」は再現出来ない。流石、多くの人が気に入る色合いである。

すなわち「一流

 

 

昨日(10月26日)の朝、出勤して役所に提出する資料をホッチキスで綴じていた。3ヶ所目を止めいようとホッチキスを押したら針がなく、綴じられなくて跡だけが残った。

跡が残った箇所

針を入れるフタを開けたら、針は一本残らず綺麗に使われていて、純正の針を補充して思った。

流石「一流」だなぁ。

安い似たようなプラスチック製で、針も安い品を使うと、何度か?詰まったり最後まで一本残らず使い終わらない時がある。針も器具も安いので、あまり気にならなかったが、昨日は妙に感心した。

一流だなぁ!」

 

安い品

折れてしまった尻側

 

※ ホッチキスはホッチキス機関銃の連発から開発されたとの話がある。

ダボの人間は三流、生活は下流

 

        記 ダボ・イトウ

 

 

 

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