HOME > 19年間 VOL.5 – NO.362

19年間 VOL.5 – NO.362

伊藤勲(釋誓勲)

19年前の今日、平成11年2月19日午後2:57。

父であり、会社の社長だった伊藤勲が80才の生涯を閉じた。

家の宗旨は浄土真宗大谷派であるので、法名「釋誓勲」を授かった。

新聞の訃報通知

通夜は2月21日の月曜日、自宅で行った。

喪主は当時元気だった母親が務めた。

気丈に振る舞っていた母で、「しっかりしているなぁ」と思ったが、後から聞いたら、「泣いたり、暗い顔をしていたら恥ずかしい」と、その時の感情を話してくれたが、皆さんの前で、その様な姿を見せる事が恥ずかしいとは、母の育ってきた時代の教えが高齢になっても母の心に刻み込まれていた様だ。

長い歳月が過ぎていても、変化しない事。

「三つ子の魂100まで」

「雀百まで踊り忘れず」

という諺があるが(自分の表現では「15の悪癖80まで」)、父の亡くなった後の19年を振り返ってみると、変化した事の多さに驚かされる。

 

通夜の当日、自宅で行ったが、今考えると、弔問においで下さった方々に非常に寒い思いをさせた。

当日は、2階に上がって戴いて、ご焼香を戴いたが、狭い階段を上る方と降りる方で時間が掛かり、家の外でお待ちいただいて、寒風の中「非常に寒かった」と、後々皆さんからのお声を聞いた。

これ一つを見ても、ここ5〜6年は、自宅のお通夜に行くと言う事は無くなった。

会館で、冷暖房完備で、駐車場も有り、弔問には楽だ。

20年程前は、会場は火葬場の近くによく建てられたが、よく考えれば別段火葬場の近くに作る必要はなく、近頃は市内各地に建てられており、便利になった。

 

この当時(20世紀末)、21世紀に入って成長する産業として、「介護」「葬儀」と言われていたが、近頃「介護」も何だか自宅介護が主流になりそうで、「葬儀」は家族葬とか密葬が多くなり、変化している。

ネット上では「お坊さん宅配便」とかも案内されている様だ。

静岡は「後返し」の地域と言われていたが、近頃は葬儀に行くと「即返し」の風習に変わっている。

弊社発行の情報誌

弊社の行なっている「メモリット」事業も19年間経った。

時代にそぐわない仕事となっている。

時代の変化をよく見ていないと、化石になりそうだ。

 

今から東本願寺別院に行って、父と母に会って来よう。

 

 

         記 ダボ・イトウ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です